設計施工一環だと設計料無料？　一級建築士事務所　ブラーマ190

　全てとは言いませんが、ハウスメーカーやゼネコン、工務店等の営業戦略としてよく聞くフレーズです。

しかし、冷静に考えてみてください。仮に最低限の設計作業としても、敷地やその環境の確認から始まり、建て主様との数回にわたるプラン打ち合わせや、詳細部分に関する打ち合わせ、設計図書の作図作業、さらには対行政に対する諸手続き等、膨大な作業量が有ります。それらにかかわる実働人員数は相当数になり、「無料でやる」ことなどは物理的に不可能です。

つまり、「設計・施工で引き受けるので設計料は無料」ではなく、正確に言うと「施工費に設計料が上乗せされている」と言う事です。一見、見積り項目として表われていないケースが多いのでので解りずらいですが、建て主様にとってこれは非常に重要な事であります。地元工務店や住宅メーカー、ゼネコンにおいては建主様にとって「設計料が無料」とした方が仕事が取りやすいという、その一点だけで「設計・施工で引き受けるので設計料は無料」という表現になる訳です。この表現に隠された構図を見逃してはいけません。

「設計料が無料」という事は社会常識上、絶対にあり得るはずが無い！という事を、先ずご理解下さい。