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一級建築士事務所 ブラーマ190

建築イノベーションの時代!
神戸から建築維新を実践する設計事務所!!

劣化診断報告書

 

*ポイント:純然たる「設計」と
       「設計・施工一環」における「設計」では本質的な「目的」が違う。

       

「設計」には下記のように2種類のスタイルがあります。

  A:建て主様から直接建築家や設計事務所等が依頼を受ける「設計」
  B:同一会社内で行われる「設計・施工一環受注」における「設計」
  (例;「◯◯ハウスの設計・施工による住宅」といわれる建物の「設計」など)

 この両者の違いを説明致します。Aはその目的が、「コストやデザインを踏まえ、建て主様にとっての新しい価値観の提案と最善の空間造り」であることに対し、Bは全てとは申しませんが施工のやり易さ等、施工サイドに重点が置かれる場合が多くその目的が建設会社等の売上げを上げる為に寄与する事にあると言えます。その為、本来の「設計」の目的からはずれる事が多々有ります。何故なら、建て主様から直接、設計者へ「設計」を依頼しているのではなく、建設会社又は施工会社の営業手段としての「設計」という位置付けにより、その場合の「設計者」の建て主様は「施工者」となってしまうからです。悲しいかな設計者は依頼を受けた建て主様に有利になるように取計らわなくてはなりませんから、エンドユーザーにとってよかれと思う事でも直接の建て主様がそれを望まなければ実現不可能となります。

 全てとは言いませんが、この構図が「設計・施工一環受注」には多く見られ、最終の建て主様であるエンドユーザーにとって最大の問題点と言えます。

 また、先に申し上げましたように「設計・施工」というと、同じ会社の「設計部門」と「施工部門」で行われる事が殆どですが、よほどしっかりした組織でないと建物の施工中或いは竣工後において瑕疵等が発生した場合、「責任の所在」が明確にならなくなるケースが多々有ります。

   「設計図どうりに施工したのに雨が漏った。設計が悪い」

「いや、いつもの通りの施工と打合せしたのに雨が漏った。施工が悪い」

 お互い責任をなすり合い、しょうがないので会社の営業部門と設計部門と施工部門のそれぞれの人間が連れ立って建て主様へお詫び申し上げる…こんな話を聞いた事がありませんか?会社としての誠意は感じられても、そこにそれぞれの部門における「責任の所在」は存在すらしていないのです。そこには「甘えの構造」というシステム構造上の大問題が見え隠れします。

 お互いがそれぞれの部門においてそれぞれの責任を全うする。この単純明快なシステムが良い空間造り、良い建物造りの絶対必要条件なのです。それゆえに、「設計」と「施工」を分離して依頼した方がいいと言えるわけです。